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DARKNESS/アメリカ・スペイン/ホラー
そんなに怖くなかった。
だが、映像が大変よかった。
ホラーと思うよりスプラッタと思ってみた方が楽しめる気がする。オススメ。
漫画「どろどろ」に映画「呪怨」の監督が寄せた解説に、ホラーは見えるか見えないかというところが恐ろしいのであって、完全に見えてしまうと笑いに転じる、という意味のものがあった。
日本のホラー映画監督の言葉だから、海外のホラーには必ずしも当て嵌まらない、というか、怖さの種類や方向が違うということはあると思う。
それにしてもこの映画を観て、つくづく見えない恐怖の方が怖いと思った。
冒頭から、画像が極めて鮮やかで、色鉛筆や血のカットを入れるなど、意図的に鮮明にみせているのがわかる。
この時点で、勇気ある選択をしたなと感じる。何しろ、怖いシーンは薄暗く撮ればそれだけで怖さ割増だ。
あえて鮮明な画像にしたのは、暗闇を暗闇として表現したかったのだと思う。
闇は闇で完璧に黒で写す。それは棚の下の隙間であったり、一瞬の停電であったり、単に光の届かない隣の部屋であったりする。
必然、怖いモノはフラッシュ的な画になり、姿ははっきりと見える。幽霊は透けていない。ただ暗闇の中にいる。
これは恐怖に脅えるというより、そう、とてもドキドキさせられる。
お気に入りは地下鉄のシーンで、登場人物が暗闇に追われるところ。
明暗のコントラストを強く出し、テンポよく映像効果を切り替えていく。
通路の明かりが次々と消え、暗くなった蛍光灯の下は、既に闇である。
その幻想的なリアリティのなさが逆に恐怖感を誘い、映像がまたあんまり綺麗なので、色んな鳥肌が立った。
以下若干のネタバレ含む
怖さが残念である部分を少し。
怖さの骨子は「暗闇」そのものである。らしい。
しかし黒幕はいるし、実際に何かしてるのはほとんど闇の中にいる人(?)だし、クライマックスで怪異の目的がはっきりしてくると、拍子抜けするほど事態はわかりやすい。もう、あとは勝つか負けるかというだけのこと。
まあそれ自体はホラー映画の様式美なのだが、
「黒魔術」やら「地獄の家」やら、他の事象に頼った表現で、どうも闇そのものの怖さを表現することを回避しているように思えるし、
最後には家族はみんな死んじゃって、救いはどこにもありませんでした、というのもなんだか投げやりだ。
勧善懲悪するよりいいけども、どうせならもっと風呂敷広げて、「完全な暗闇はそこからはじまり、地球を侵食していきつつある」くらい言ってもよかったのではないのかー
というあたりが、最後は怖さが残念だなあ、と思う部分だった。
逆に言えば、怖さがあとをひかないからすっきり見られていいかもしれない。
ただやっぱり鮮明な映像は大変な影響力があるもので、
「あんまり怖くなかったな」などと思って部屋を出た筆者は、暗闇の中からこっちを見ている黒い瞳を見てしまったのであった。
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