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2024/05/14

28日後…

28日後…(28 days later)//イギリス・スペイン


傑作。
ホラーというより、映画として傑作。
あと音楽がすごい。好き。

あらすじ。
生物兵器として開発された"レイジウィルス"が流出し英国全土を襲う、バイオハザード・パニックホラー。
たくさんの人がウィルスにより命を落とした中、事故で意識を失っていた主人公は病院で目覚める。
ウィルスのせいで正気を失っている人々(元・人々という感じだ)と戦いながら、生き残った人達と助け合いながら生き延びようとするストーリー。

生き延びる、というところが一つポイントである。ただ生き延びるのも難しいのに、生き残った人々は希望がなければ生きていかれないという。
これを含め、近年の映画ではよくみるテーゼがあまり感じられなく、独特の切り口で話が進む。

ホラーとしても独特で、ホラー映画らしいおどろおどろしい雰囲気やら、急に出て来るような脅かし、もしくは出て来るに違いない…と思わせる緊張感あるシーン作り、などはない。
ていうかホラーなのか?
怖いと言えば、生き延びても先の展望はなく、生き残った未感染者も正気でいるのが難しいという状況がとにかく怖い。
レイジウィルスという名前は多分、感染者が怒りに我を忘れたようになることから名がついたのだと思われるが(作中に由来の説明はない)、感染していない人間もたいてい冷静でないため、まるで感染しているように見え、人間てこんなものかと思わせる。

ジャンルとしてはゾンビ映画になるのだと思うが、変わっているのは感染者がまだ生きているところである。治癒の見込はないにせよ、相手がまだ人間だとわかっているのはきつい。

見ていると価値観を叩き潰されるのに、登場人物の思考がわかりやすくて引き込まれた。
善悪観が特にめちゃくちゃになるので、正義感の強い優しい人にはつらいかもしれない。なんつて。


といったところ。
スパニッシュホラーっていいもんだなあと最近思い始めた。
陰影の使い方が本当にいいんだよなあ。


以下ちょっとだけネタバレあり

PR

[続き]

2012/05/12 映画感想 Comment(0)

インタビュー・ウィズ・バンパイア

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア/Interview with the Vampire: The Vampire Chronicles/ニール・ジョーダン/1994.アメリカ

期待以上に面白かった。
その映像美やよし。

インタビュー形式で話が進むのに、舞台がほとんど中世ヨーロッパ(および、みたいなニューオーリンズ、近世フランス)なのがよかった。
画面がゴシック。
バンパイアといえば黒マントがスタンダードだと思うのだけど、この作品ではロココ貴族のような出で立ちで、悪魔的というよりは神々しい感じ。
美しさを前面に押し出しているキャラクターデザイン。意外と見ないもんだ。

話はというと、女性向けみたいなめろめろメルヘンかと思ったらそうでもなかった。

特に、老いないのに歳をとる(内面は更に)バンパイアの、未熟なまま大人になったクローディア、耄碌した彼等の表現は凄かった。

バンパイア同士の愛情というのが、存在意義の不確かさがそうさせるのか、妙に切ない。
親戚よりもっと希薄な感情で、しかも切実である。
あるいは人間の名残かもしれない。自分が人間であった時に大切だった気持ちを捨てるのが嫌で、愛あるように振る舞いたいのかも。

それが悲劇でもある。
クローディアに対するそれは、真実深い親子のものであり、しかもままごとじみたお遊びだった。

2012/05/08 映画感想 Comment(0)

passengers

「パッセンジャーズ」/監督:ロドリゴ・ガルシア/2008.アメリカ

おもしろかった。

スピリチュアルな映画だとわかっていて見ないと、がっかりするかもしれない。
あんまり言ってもネタバレなので難しい。

主演のアン・ハサウェイが好みどストレートだったのでもうそれだけでいいような気がする。
眉のはっきりした顔立ちの女性って魅力的だなー。

内容はと言えば。
SFというか、なんというか…ファンタジーなものだと思ってみればこれは面白い。
だけど宣伝にだまされた感じはする。
そういう意味ではノウイングと近いだろうか。心が狭いのだろうが、どうもこういう展開はずるいと思ってしまう。


以下粗筋を含む↓

[続き]

2012/05/07 映画感想 Comment(0)

テルマとルイーズ

原題:テルマ&ルイーズ/リドリー・スコット/1991.アメリカ

驚くほどよかった。
ちょっと古い映画だけどすげー面白かった。
今回の感想はネタバレ全開で行きます。

主人公二人が状況に流されて罪を重ねていくストーリー。
犯罪映画ながら底抜け感があって、楽しく見られた。

主人公の女の子二人は、ワルではないがいい人でも勿論なく、マンネリと退屈を持て余し、賢くもなく、まあ要するに普通の人間である。
退屈しのぎに羽をのばしていたところ、一人が悪漢に襲われ、怒りに任せて相手を誅すところから話が始まる。
犯罪者が本当に悪者か?
第三者から見た「犯罪者」の側面と、当事者にとっての「こうするしかなかった」的側面から、リアルな犯罪者像を見せられ、非常に悩ましい。と思うのは私が軟弱者だからだろうか。

成り行きで犯罪を重ねていく様は盛り沢山に描かれていく。
ブラット・ピットが逃走資金を掠め取るくだりなんか、悪者に騙されるシーンなのに大層めろめろしく、犯罪者がときに被害者である一面が綺麗に出ていて好きだ。

しかし逃亡に次ぐ逃亡でどんどん罪が重くなっていく様は、彼女らの思慮が浅いと言ってしまえばそれはそうなんだけど、じゃあその間違った判断をすることは悪いことなのか?と問われればそんなことは言えない。
特に今の日本に住んでると、逃げるなんて馬鹿だなあ、すぐに自首すればよかったのに、どうせ逃げ切れやしないし。という風に思うけれど、
そこへ作中のテルマの台詞、「どうしても連想してしまうの。拷問、電気椅子ってね」が突き刺さる。
真実が揺るぎないとしても、一体誰が取り調べや刑罰を好むのか?仮に全く無罪だとしても、裁判やらの過程で拘束され、厳しい言葉を投げられ、プライベートを衆目に晒されることは耐え難いだろう。

それでも逃げ切れないことはわかっていたかもしれない。
二人の行く末を想う。
主人公たちの立場からストーリーを追って来た身では、二人を許してあげてほしいと思いながら、
なりゆきであってもあれだけの犯罪を行った二人を、社会的にまったく許すわけにはいかないと、客観的に考えれば、なる。

許されもしない、断罪もできない、二人が最後に旅立っていったのは、必然の帰結であり、この上なく美しいラストだった。
その時、その時の二人の心境を想像すると、震えが止まらない。

2012/03/20 映画感想 Comment(0)

Knowing

Knowing//アメリカ

いやだなあ。

50年前に埋められたタイムカプセルから、未来のことを示した数字の書かれた紙が出て来る―という粗筋から、パニックSFミステリーな感じの映画を想像して見てしまったのだが。
期待に沿わない映画であった。


主人公である宇宙物理学者、ジョンは冒頭で二つの説を提示する。
未来決定論…という名前かどうかは知らないが、全ての物質の運動は予測できる、つまり未来は決定済みだという、物理学的に根拠のある説。
逆に、ランダム理論という、未来は決まっていないし、起こること全てに意味はない(そこはジョンの主観)、という説。
ジョンは過去に妻を亡くしたことから、ランダム理論の支持者となっていた。
しかし未来を示した紙切れを見て、未来は実は決まっており、そこから一人息子を守ることができるのではないか、と思い始める。

…作中で予定されていたとされる事件、事故、災害は911テロや阪神大震災、その他おそらく当事者にとって一目見れば恐怖を引き起こさずにいられないような有名な写真で映され、
新しく起こる事故は非常にショッキングな映像で五感から激情を叩き付けられる。
特長的なのは悲鳴、と事故に遭った人達の助けを求める姿。
こんなにひとは悲鳴をあげるだろうか。あげるかもしれない。事態が壮絶過ぎて想像することもできないが、どうしていいかわからなくなるほど悲痛な場面が続く。

ここまではいい。人に衝撃を与えることに成功したという意味で、優れて良いと思う。

しかしここから持ってくる結論が、未来は決まっていて神の御意志である。人間は失敗したのでノアの方舟もっかいやります。…である。話にならない。文字通りの意味で、話にならない。
ただショッキングな映像を見せ、観客が動揺したところで神の提示というのは、宗教の悪質な勧誘によく使われる手じゃないの。

しかもこのラストでは、布教の意味でも失敗だ。
ノアの方舟二回もやるの?全知全能の神が??

ついでに…個人的な好みで大天使の造形がよくない。
なにあのマトリックスリローデッドみたいな…口から破壊光線だし…。
天使というのは見た目は人とも似ているが、真実のために時に人に非情。なのは知っているけれど、
あんなに不審者みたいな行動をする必要があるか?もっと啓示っぽいことしてもよかったんじゃないのか?

総括して、残念な映画だった。
前半で掴んだ心をそのままぶん投げられた感じ。

2012/03/14 映画感想 Comment(0)

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