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2024/05/15

テルマとルイーズ

原題:テルマ&ルイーズ/リドリー・スコット/1991.アメリカ

驚くほどよかった。
ちょっと古い映画だけどすげー面白かった。
今回の感想はネタバレ全開で行きます。

主人公二人が状況に流されて罪を重ねていくストーリー。
犯罪映画ながら底抜け感があって、楽しく見られた。

主人公の女の子二人は、ワルではないがいい人でも勿論なく、マンネリと退屈を持て余し、賢くもなく、まあ要するに普通の人間である。
退屈しのぎに羽をのばしていたところ、一人が悪漢に襲われ、怒りに任せて相手を誅すところから話が始まる。
犯罪者が本当に悪者か?
第三者から見た「犯罪者」の側面と、当事者にとっての「こうするしかなかった」的側面から、リアルな犯罪者像を見せられ、非常に悩ましい。と思うのは私が軟弱者だからだろうか。

成り行きで犯罪を重ねていく様は盛り沢山に描かれていく。
ブラット・ピットが逃走資金を掠め取るくだりなんか、悪者に騙されるシーンなのに大層めろめろしく、犯罪者がときに被害者である一面が綺麗に出ていて好きだ。

しかし逃亡に次ぐ逃亡でどんどん罪が重くなっていく様は、彼女らの思慮が浅いと言ってしまえばそれはそうなんだけど、じゃあその間違った判断をすることは悪いことなのか?と問われればそんなことは言えない。
特に今の日本に住んでると、逃げるなんて馬鹿だなあ、すぐに自首すればよかったのに、どうせ逃げ切れやしないし。という風に思うけれど、
そこへ作中のテルマの台詞、「どうしても連想してしまうの。拷問、電気椅子ってね」が突き刺さる。
真実が揺るぎないとしても、一体誰が取り調べや刑罰を好むのか?仮に全く無罪だとしても、裁判やらの過程で拘束され、厳しい言葉を投げられ、プライベートを衆目に晒されることは耐え難いだろう。

それでも逃げ切れないことはわかっていたかもしれない。
二人の行く末を想う。
主人公たちの立場からストーリーを追って来た身では、二人を許してあげてほしいと思いながら、
なりゆきであってもあれだけの犯罪を行った二人を、社会的にまったく許すわけにはいかないと、客観的に考えれば、なる。

許されもしない、断罪もできない、二人が最後に旅立っていったのは、必然の帰結であり、この上なく美しいラストだった。
その時、その時の二人の心境を想像すると、震えが止まらない。

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2012/03/20 映画感想 Comment(0)

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