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聖☆おにいさん/高雄統子/2013 日本
すっごく面白かった。
原作のファンで、OAD(コミックス8巻特装版についていたもの)のAmazonレビューが酷評だったので期待しないように期待しないように…と思いながら初日に見に行きました。
面白かった…!
タッチがとにかくすごくて、中村先生の独特な主線、ハイライトずらした塗りそのままで、漫画が動き出したような、しかもスピード感のある丁寧でいい作品でしたー。
ギャグの間の取り方もいい。
自然な感じを意識してるんだと思うんだけど、セリフは被せて同時に喋ったり、聖コンビが会話してるのと同時に小学生チームが作戦を立てるとか話が平行して進む演出もすごく好き。
初見殺しだなあと思うし、内容覚えてても両方聞きたくてわけわかんないに陥りがちだけど好き。
これから観る人には一応、基本聖さんに集中して、小学生メインのとこは小学生に集中するといいとオススメしておきます。
物語の内容はほぼそのままで、イエスの撮ったアルバム写真をアイキャッチにしながら一年間綺麗に繋げた感じ。
(ワンシーズン毎に入る写真がすごいノスタルジー。ほのぼのしすぎて泣きそう。)
原作に比べると、天界人達のキャラを立てること、宗教的要素のウェイトが弱め。代わりに立川の町そのものを丁寧に描いていて、ちょっとした人情ドラマみたい。
わざわざ立川見に行ったんですが、帰りに町をふらつくのが楽しみになる。
オニ公園ホントにあるし!
(余談ですが、オニ公園の映像がテレビで流れたから、聖おにいさんのCM?!と思ったらアクアのCMでした笑 まぎらわしい!)
だからその分、最聖コンビ以外の天界キャラは全然出てこなかったですね。
大天使が一瞬お空にいるのが映ったくらいで、仏サイドはゼロ人でした。
一緒に行った友達がものすごく残念がってました。その辺はまあ、続編を期待。
映画オリジナルキャラ…ではないんだけど、原作でモブだったキャラを掘り下げて、リアルな町の人を描いているのが面白かった。
どうリアルかっていうと、コンビニ店員はファミマの店員になり、近所の小学生は仮面ライダーフォーゼが大好きな近所の小学生になり。フォーゼってちょっと時期ずれてる感がないか…。仕方ないんだけどさ。
でもサラダ油は日沈食品笑
日沈て笑
あとはキャストの話します。
主演二人がプロの声優ではないというのが気になってはいたんだけど、監督の思惑としては浮世離れした聖人→アニメ慣れしてないキャスト、立川の町の人々→アフレコのプロで立体感を出したかったんだそうで、モブがガンガンセリフ被せてくる中でも聖さん達の発言はきちんと耳に届いてきたからそこは成功してるなと思った。
そのことはパンフなどで森山さんが語ってらした。森山さんすごい。
作中でもイエスのセリフはメリハリがすごかったし、突っ込みもナチュラルってレベル高い演技するなーって思ってましたが、そのパンフ読むと取り組み方の熱心さが伝わってきて、うっかり好きになってしまいそうでした。
イエスのセリフでは、アドリブもたくさん挟んでいたそうで。
休憩時間に森山さん(イエス役)は台本に目を通し、星野さん(ブッダ役)はくつろいで(瞑想?)いたとかいうエピソードなど、まるで本人たちみたいだなあと思ってちょっと感動。
一番ジョニデっぽい発音とか練習してそう笑
みこし担いでるときのテンションあがり具合が好き。
おしむらくは立川にTOHOシネマがないってことさ…
もう一回観に行きます。
アドレナリン・ブレイク(原題:BAD DAY)/イアン・デイヴィッド・ディアス/2008 イギリス
よかった。
しかしながら、この手の作品は数見ないので、コメントに困る。
ドキュメンタリ・タッチの映画である。独特のカメラワークと少ないBGM(音楽が使われたのは最初の場面二つとOP、EDだけ)によって不思議な気持ちになる。
その割には何故か退屈しなかった。
カット回しが優れて良いのだと思う。
邦題はある程度優れている。原題は、作中でも台詞として使われているが、「最悪の日」とでもいう。訳せばつまらない。訳さなくともそう印象的ではない。
アドレナリンブレイクというタイトルは、興奮させる展開を予想させる。或いは暴力の過ぎるこの作品を表した良いタイトルである。だが見終わっての感は、その題は的確ではない。
ずいぶん言葉が汚い。こんなに罵詈雑言を聞くことは、フランクなアメリカ映画でも少ない。聞かないだけで、向こうでは普通なのかなとも思う。字幕や吹き替えと比べながら聞くと、日本語って悪口の語彙がほとんどねぇんじゃねぇか、とすら感じるからだ。
言葉が汚いだけでなく、暴力も表現が荒っぽい。度が過ぎているというのではない。例えば顔を殴るにしたって、口が切れて血が出て頬が腫れて歯が折れて殴られた方はそれを舌で探して吐き出す。まで映す。
こういうのには本当に慣れていない。映画における暴力というのは映像の進化に遅れていて、記号化されているのだろう。殴るなら殴った、怪我をしたという事実があるだけで、殴った方の手がなんともないことすらよくあること。それで普通というか、当たり前と感じてしまうのは、何か創作的世界に毒されているのではないか。
(映画における、と言ったが、一般に映像全体の傾向だろう。)
翻ってBadDayでは、因果や禍根でなく暴力そのものをフィルムに収めるのが目的ではないかと思える。その上BGMもないものだから、変な叙情が入り込む余地はないし、身体を痛め付けた時に起こる"音"が耳に突き刺さる。記号的でない、実際には呆気ないような、妙にコミカルな音である。
そういった意味で、写実的な作品だと言える。現実はハードボイルドなのだ。
さて、どこ見てるんだと言われそうなことばかり書いて来て、粗筋に何も触れていないのだが、仕方ない。ストーリーはたいして問題ではない。言っておくべきことがあるとしたら、バッドエンドなことぐらいだろう。
レベッカ(主人公)は、その日全てを失ったのだ。
エンディングに近いシーンが冒頭と重なっているので、見終わってもう一回見ると、最初のシーンに震えた。
「神様、どうか助けてください」という台詞に込められた想いは、想像するのに難しいものじゃない。
しかしその内容は、初めに想像したものと違っていた。
もう一回観たい、と思った。
お気に入りのシーンを一つ。
レベッカがハリーと共にマーラと対決するシーンが印象的だった。
ハリーとマーラの手下がお互いに狙いを定め、一触即発となる場面。
これが普通のアクション映画なら、ハリーが最高にかっこいい反撃を決めて、あっという間に手下を倒し、マーラと魂のやり取りをしてから留めを刺すだろう。或いはこれがラブロマンスなら、タイミングよく踏み込んで来た警官隊に驚いた手下が発砲し、撃たれたが一命を取り留めるハリー、真実を知ったレベッカは罪を償って二人で生きていく決心をするだろう。
…そういう展開を強く期待してしまう自分がいた。
そんな結末が訪れないことは、強く感じられるにも関わらず。
心を強く持ちたいと思った。
ザ・グリード(Deep Rising)/スティーヴン・ソマーズ/1998 アメリカ
鑑賞二回目。
今まで観たB級映画では最高傑作。
超スプラッターモンスターパニック。
豪華客船の処女航海を嵐と怪物とついでに強盗が襲う、というのが大体の粗筋。
主人公は強盗の雇われ船長で、行き先も目的も聞かず引き受けたという命知らず。
ハードな人生送ってる彼の口癖は、
"Now,what?"
難しいことは抜きにして、場面はどんどん展開していく。というか、じゃんじゃん人が死んでいく。
あまりに暴力的なので、絶望している暇もない。
なにしろ正体不明のモンスターだから、ものすごくやりたい放題である。分厚い気密扉だってボール紙みたいにぼっこぼこ、エレベーターはシェイクするし、トイレの排水溝から女性客を吸い込み、すごい勢いで追いかけて来たかと思えば後ろから静かに忍び寄ってみたりする。
海の生き物なのに水陸お構いなしだし、パワフルなのに知能もあると判明、タコの形なのに腕の一本一本に消化管があるっていうチートぶり。
忘れられないのは、怪物の見た目もわかっていない冒頭の方で女性客がトイレに吸い込まれるシーン。死ぬ間際に洗面台の蛇口を掴んでもぎ取るんだけど、ありえねーと思う一方で、死ぬかどうかという時の馬鹿力ってこのくらい出るのかも…という迫力の
グリードっていうタイトル訳がよい。超訳だと思うけれど、とても正鵠を得ている。
グリードとは乗客を一人残らず平らげようという腹を空かせたモンスターの名前だろうかと思うのだが、船に乗り合わせた人間はおよそみなさん強欲で、ただの金持ち連中はもちろん、豪華客船の船長は限りない夢と野望で自ら船を沈めようとしているし、国際指名手配されているコソドロ(※美女)も居るし、もちろん乗り込んで来た強盗達は並々ならぬ貪欲さの持ち主である。
本編と直接関係ないが、日本語字幕見てると明らかに原語より台詞が多い。
翻訳者の趣味だろうか?
エクスペンダブルズ2/サイモン・ウェスト/2012・アメリカ
アクション映画。
いいよ。かっこいいよ。
なんといってもキャストが豪華ですね。
豪華な分他の作品などをネタに引きずってきているのでその辺は見る人を選ぶかなと思いますが。
CMの、乗用車のドアをちぎって投げる場面はクライマックスシーンです。
あれはちぎってるんです。
ラスボスを追い詰めていく展開にテンションあがりまくりで、興奮してるせいで笑いが止まりませんでした。
ブルース・ウィリスの「お前は戻りすぎだ!」も…ホントだいすき…。
話の構成はなんというか、非常に堅い作りでして。
1作目もそうですが
悪く言えばステレオタイプの、先の展開はわかっちゃうようなつくりなのですが、
わかっちゃってもアクション映画って場面場面を楽しめるから関係ないんですよねえ。
善悪がはっきりしているところなんか非常に古いハリウッド的に感じるのですが
その分キャラクターがすれてなくて好きになれるのでしょうな。
試写会が当たった人に連れてってもらったのですが
まず1を観とかねばと思って慌てて借りてきて観ました。
1も面白かったです。
2に比べてぐっとまじめに映画してました。他作品ネタなどなかったし。
以下、ネタバレというほどでもないけど登場人物についてちょっと語ります。
くだけます。
テルマエ・ロマエ/武内英樹/2012・日本・イタリア
すごかった。
古代ローマの市街地の再現がやばい。正確かどうかは知らないけど迫力がすごい。
キャスティングが面白過ぎる。
とにかくスケールがでかい。意味がわからないほどに。
エキストラはみんなして多分外国(ギリシャ?)人なのに、メインキャストの日本人が一人も浮いてない。恐ろしい話だ。
前半はずっと笑ってた。
タイムスリップの手の込んだ手抜き的表現も面白かった。
けど後半は展開が、目的が変わってしまって残念であった。
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