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L Change The WorLd/中田秀夫/2008.日本
本編の時も思ったけど、
松ケンをL役に抜擢した人は天才だわ。
細かいツッコミ所は沢山あるけども
そんなものは今更だからキニシナイ。
話筋は勿論、伏線の張り方、ミスリードの誘い方、
何よりLの魅せ方に熱入ってて素晴らしい。
失敗したんじゃなくて
ちょっと詰め込みすぎただけだと思う。
具体的には
冒頭のナオミのシーンとか。
でも故に愛が感じられて、しかももとの作品に阿らない、いい映画でした。
つまり面白かった。
だけど細菌のシーンがショッキングすぎて泣くかと思った。恐すぎる。
この映画といえばあの実験室の…っていうくらい忘れられない。
心臓の弱い人にはお勧めしません。
老人と海/ヘミングウェイ著/訳
面白かった。
「ヘミングウェイ」も「老人と海」も、誰しも聞いたことはあるだろうが、読んだことはあるだろうか。
あるいは、国語の教科書に載っていたかもしれない。
教科書とは、自ら進んでは手に取らないような本との良い出会いをもたらしてくれる癖に、
そのせっかくの出会いを味気ないものに変えてしまうことも得意ときた。
変に文学とか意識させず、普通に読ませればいいのになあ、と思う。
ヘミングウェイのこの小説は、老人と海、なんていう、この上なくしおたれたタイトルでありながら、その辺の冒険小説と遜色ないような、海に生きる男達の激しい戦いの記録であったりする。
という読み方も出来るし
地元の寂れた商店街を思い出さずにはいられないような、人生の盛衰を描いた、哀愁漂う物語であったりする。
という見方も出来る。
…どっちにせよハードボイルドである。
物語の終盤はもう、あとどうなるかわかってしまって、辛くて続きが読みたくないほどだった。
でもせめて見届けるべきだ、あんたのことは私が知っている、という思いで(大袈裟だなあ)、読み終えた。
でも帰って来たおじいさんを迎える人々の姿は少し暖かかった。
だから話の結末は、一般的には「現実は非情」なんだろうが、個人的には人の心の繋がりに、救いの見いだせる終わり方だと解釈した。
幸福な食卓/瀬尾まいこ/講談社文庫
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」
これは小説の出だしである。かなりショッキングだ。
どういう小説か。
読後の身でも、説明に困る。
一言でいうなら「泣ける」。
(他人がどう思うかは知らないが、これは自分にとって重大な事実である。電車で本を読みながら笑う人はちょっと変な人だが、泣く人は何か大変なことになっている人の確率が高いからだ。この本が「泣ける」ということを、誰か予め教えてほしかった。まあそれは済んだことで。)
内容。
どこにでもありそうな四人家族の、父は自殺未遂、母はノイローゼ、兄は天才をこじらせ、なんとか真っ当に生きようとしている妹が主人公である。
設定が重たい、超重たい。
そこであの出だしである。正直なかなか読みたくならなかった。
ところが読み始めるとそうでもない。
それぞれ抱えているものは大きくても、傷を常にさらけ出し、陰々滅々と生きてるわけではない。当たり前なのかもしれないけど大事なことだ。
そりゃもちろん、ひどく落ち込むこともあるけれど、自分とだけ向き合って生きていくわけにはいかないんだな。
と、最後には前向きになれるので、ゆっくり最後まで腰を据えて読みたい本でした。
雑感。
人が死ぬことは、人が死んだという歴然とした事実があるにも関わらず、
どういうわけか頭で理解することができない現象だ。
それなのに、誰も練習したことなしに、大切な人との別れに向き合わなければならない。
その時を誰も教えておいてはくれない。
考えておくことが出来るというだけでも、本を読むのは貴重なことだななどと思った。
DARKNESS/アメリカ・スペイン/ホラー
そんなに怖くなかった。
だが、映像が大変よかった。
ホラーと思うよりスプラッタと思ってみた方が楽しめる気がする。オススメ。
漫画「どろどろ」に映画「呪怨」の監督が寄せた解説に、ホラーは見えるか見えないかというところが恐ろしいのであって、完全に見えてしまうと笑いに転じる、という意味のものがあった。
日本のホラー映画監督の言葉だから、海外のホラーには必ずしも当て嵌まらない、というか、怖さの種類や方向が違うということはあると思う。
それにしてもこの映画を観て、つくづく見えない恐怖の方が怖いと思った。
冒頭から、画像が極めて鮮やかで、色鉛筆や血のカットを入れるなど、意図的に鮮明にみせているのがわかる。
この時点で、勇気ある選択をしたなと感じる。何しろ、怖いシーンは薄暗く撮ればそれだけで怖さ割増だ。
あえて鮮明な画像にしたのは、暗闇を暗闇として表現したかったのだと思う。
闇は闇で完璧に黒で写す。それは棚の下の隙間であったり、一瞬の停電であったり、単に光の届かない隣の部屋であったりする。
必然、怖いモノはフラッシュ的な画になり、姿ははっきりと見える。幽霊は透けていない。ただ暗闇の中にいる。
これは恐怖に脅えるというより、そう、とてもドキドキさせられる。
お気に入りは地下鉄のシーンで、登場人物が暗闇に追われるところ。
明暗のコントラストを強く出し、テンポよく映像効果を切り替えていく。
通路の明かりが次々と消え、暗くなった蛍光灯の下は、既に闇である。
その幻想的なリアリティのなさが逆に恐怖感を誘い、映像がまたあんまり綺麗なので、色んな鳥肌が立った。
以下若干のネタバレ含む
怖さが残念である部分を少し。
かもめ食堂/群ようこ/幻冬社文庫
面白かった。
絵本のようにライトでかわいらしい小説だった。
登場人物はみんな、なにかしらしょっているのに、読んでいて穏やかな気持ちになる。それはヘルシンキの土地がなせるのか、サチコさんの人柄がなせるのか。
世の中のシビアなことを思い出させられやるせない気持ちになったと思えば、キュートな描写で笑ってしまう。ころっころの、かもめ!
枕元に置いておいて、寝る前に読み返すのにすごくいい。
また、中年になったら読みたいですね。
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